少し旅に出ていました。

3/13の記録。最初に言っておきます。また長いです。


1.概要
2.行動記録(抄)
2.1 熊野本宮大社、および新宮への移動
2.2 新宮1:神倉神社、熊野速玉大社
2.3 新宮2:徐福、阿須賀神社そして輪行
2.4 古座

# 1.概要



この日は、熊野本宮大社、大斎原を詣でた後、新宮へ移動し熊野速玉大社、神倉神社、阿須賀神社を巡る。そして古座へ移動する。古座ではお気に入りの宿に宿泊。

残念ながら、この日は朝から小雨。少し予定を削った。そして、新宮で力尽きて(もう雨の中走るのが嫌になった!)、新宮~古座間は輪行で移動した。

なお、この日は雨だったので、カメラレンズを中華製の超安価なシネレンズで撮影(濡れてもいいやと割り切れる)。照度も低い状況だったため開放付近で撮影、ボケ方がすごいことになっている。面白くもあるが記録としては物足りない絵ばかりだ。彩度も低い。


# 2.行動記録(抄)


<ルート>


- 2.1 熊野本宮大社、および新宮への移動




◆熊野本宮大社、大斎原


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川湯温泉から少し走ると、とうとう熊野本宮大社に到着した。今までの王子巡りはすべてここへ来るためのものである。

残念ながら朝から小雨。到着したときもポツポツと雨が降っていた。熊野本宮大社にはこれで4回目?の参詣となるが、雨は初めてだ。


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扁額も神々しい。


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縁起書。


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参道は杉の道。小雨の下、ずっしりとした重く荘厳な雰囲気が漂う。


20170308-和歌山~明日香旅57

本宮大社には黒いポストがある。ポスト上には八咫烏が乗っている。
スタンプが社務所前に置かれており、八咫烏のスタンプが押せる。

ここから妻にハガキを出した。もちろん切手は事前に買っておく必要がある。

また、八咫烏は日本サッカー協会のシンボルマーク?でもある。サッカーをしている甥っ子にあげるためお守りを頂いた。

※本殿敷地は写真撮影禁止のため、写真はここまで。


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さて、本宮大社を詣でたあとは、大斎原(おおゆのはら)に向かいます。


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ここの鳥居は物凄く大きい。


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大鳥居の意義が書かれた説明板。
この鳥居をくぐった後、大斎原に至る。


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昔、熊野本宮大社が置かれていたのが大斎原です。度重なる水害により、移遷したのが現在の熊野本宮大社で、ここはその跡地。

敷地内は杉の大木に囲われ、これまたピンと張りつめたような雰囲気。折しも雨が降り、少し霧がかり幽玄さも感じた。一部、撮影禁止の箇所があり、写真はここまでとした。

とても好きな場所です。


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川原に下りられる場所があったので行ってみた。大鳥居が立派だ。


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大斎原の周りを囲む石垣は苔むし、いろんな植物が生えている。水滴をたたえて輝いていた。


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熊野本宮大社の末社、産田社(御祭神:伊邪那美命、女性の守り神)には、きれいな桜が咲いていた。雨のため少ししぼんでいたけど。


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大斎原から大社前まで戻る。体が冷えたので、朝ごはんも兼ねて、茶屋でお抹茶とおまんじゅうを頂いた。それにしても、この中華レンズはグルグルボケがすごいな。



◆新宮へ

熊野本宮大社から国道168号を南下すると、新宮市へつながる。小雨降るなか、クルマに注意しながら慎重に走った。

20170308-和歌山~明日香旅56

晴れならば、七越峰に登ろうと考えていた。頂上に「西行歌碑」があるとの情報が”るるぶ”に書かれていたから。流石に雨の中でクリート付きシューズでは危ないのでパスすることにした。次回に回す。


20170308-和歌山~明日香旅58

国道168は新宮川沿いを走る。この川の色は独特で乳緑色の滋味ありそうだ。


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途中、発電所あたりから土泥が川にまじり色が変わった。くっきりと色が分かれていて面白い。


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さらに南下すると道の駅がある。「道の駅 瀞峡街道・熊野川」

震災の次の年(2012年)、妻を連れて南紀の旅をした折り、この道の駅に立ち寄った。前年の紀伊半島大水害(2011年8月25日)でこの一帯も水害にあい亡くなった方も多い。

私達が立ち寄った時は道の駅の建物はすべて流されていた。かろうじて泥や流木などは片付けられていたが、川の対岸をみると、震災後の東北の沿岸と変わらないような光景だった。

そのような中、ガランとした殺風景な何もない駐車場で職員と思われる女性が箒と塵取りを持って掃除をしていた。その姿は今思い出しても胸が痛む。ここに来ても何もないのに、何のためにこの方は掃除をするのか。声をかけて話を聞かせてもらいこの一帯に起きた惨状を理解したが、掛ける言葉が見つからなかった。「また来ますね」と言うことしかできなかった。いま、その約束を果たすことができた。

幸いにも道の駅にはトイレや食事処も建てられ、まったく別の場所と思えるくらい立派になっていた。遠くからこの道の駅が見えた時には「やったー!!」と声を上げてしまったほどだ。

あの時の女性には会えなかったが、ここで休憩することにした。


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「かあちゃんの店」という食事処で食事をした。テイクアウトだけかと思ったが、めはり寿司まんじゅう(くさもち)を買ったところ、中で食べてくださいというので、お茶まで出してもらって温かい中で食事をすることができた。めはり寿司は塩加減が絶妙でかなり美味い。安価でもあり、これはいい。

一つ後悔している。ここの「なれずし」は絶対にうまい。地元のおじちゃんが幾人も「なれずし」を買い求めに来ていた。めはり寿司でお腹がいっぱいになってしまったので食べられなかった。次回は絶対に食べる。

別の食事処は風邪を引いたようでお休みだった(笑


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その後も国道168を南下する。低くまで下りてきた雲が雨を降らす。幽玄な谷沿いの道を大型車に追いかけられながら走る。景色はいいが、少し怖い。


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和歌山は滝が多い。


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この先、歩道を走ったり、トンネルを迂回したりしながら、安全第一で新宮へ向かった。雨の日の自転車はかなり気を遣う。


- 2.2 新宮1:神倉神社、熊野速玉大社



◆神倉神社

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新宮の街は大きかった。和歌山県は和歌山市、田辺市、新宮市くらいが大きな街かな。

さて、とある駐車場から山を見上げると神社のようなものが見える。あれが次に向かう「神倉神社」だ。それにしてもあんな高所にあるとは・・・気持ちが折れそうだった。


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雨の神倉神社。橋を渡る。

神倉神社は熊野速玉大社の摂社で、熊野三山(速玉、那智、本宮)の主神降臨の霊地、熊野信仰の根本とも申すべき霊所である。

抜粋して転載。


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鳥居から物凄い斜度の石階段を登る。


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雨に濡れた石の階段は非常に滑りやすい。石積みの階段なので、なかなか歩きづらい。クリートがカチカチと当たって容易に滑る。


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雨の中、訪れる人も数人。私は自転車用の雨具をつけたままで登っているのでやや歩きづらい。心拍MAXで登った。


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手水鉢

新宮城主第二代の水野重良(1596~1668)が、下野国(栃木県)那須城主の大関高増の母の延命と繁栄を祈願して寄進したものです。
 「大関高増の母」は、重良の姉(妹)にあたります。・・・寛永8年(1631)2月、重良が寄進したことが刻まれています。・・・

おお!下野国とも繋がった。


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手水鉢からすぐ、大きな岩が見えてきた。なんだこの景色は・・・。


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神社があった。そして傍らには大石。


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神倉神社。大きな石(岩)は、宮城でも釣石神社で見ることができるが、ここも圧感だ。


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見下ろすと先程写真を撮るために見上げた駐車場が見えた。海も見える。新宮は大きな街だ。


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花が添えられている。


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こんな植物があった。小さな釣り鐘状の花。


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高いところは苦手なので下りることにしました。

雨に濡れた階段は下りるときのほうが危ない。何度転びそうになったことか・・・。




◆熊野速玉大社

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神倉神社から移動し、熊野速玉大社に詣でた。

熊野速玉神社は2回目です。


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狛犬。


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梁塵秘抄所載の碑

梁塵秘抄はまだ読んだことがない。これは読まねばなるまい。が、やりたいことが多すぎる。自分にもうちょっと能力があれば効率的に物事を吸収し咀嚼できるのだろうけど、歳も歳だしなかなかうまくいかない。やはり若い時に勉強しておくものだ。


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梛。ご神木。


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本当に大きい。近くに寄れないように柵が設置されている。実が落ちているが、柵の中に落ちているので拾えない。おばちゃん達は手持ちの傘を使って、器用に種を引き寄せ拾っていた。たくましい。


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神社横には石仏あり。苔むして素晴らしい雰囲気だ。


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太綱が下げられている。どのくらいの重さなのかな。


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ここは撮影禁止じゃなかったと思うけど、大丈夫だよね?
大変、厳かな雰囲気です。


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御由緒書。


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熊野御幸に関する説明。


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濡れ椿。

我も椿も濡れ見合う。


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後鳥羽天皇御製の歌

流麗すぎて読めない。私は行書が嫌い。読めないじゃん(学が無いだけ)。


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奉八度の記念碑

当大社は全国の数千社にのぼる熊野神社総本宮、日本第一大霊験所として、古来各地からの参詣が多い。
この碑は表に「奉八度参詣、奥州南部八戸領久茲八日町、吉田金右衛門」、右側面に「宝永五年子七月日」(西暦1708年)と、刻んでいる。摂社神倉神社太鼓橋側の下馬標石(寛文十二年建立、奉七度参詣記念)と共に、奥州の熊野信仰をもの語る貴重な石造遺物である。

神倉神社太鼓橋側の下馬標石は見落としてしまったが、東北とこの地がつながりました。


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自転車をとめていた駐車場に立っている木を見てみたら、泡をブクブクと吹いている。絡みついている蔦から出ているようだ。しばらく見ていたが、いつまでも途絶えることなく泡を吹いていた。不思議だ・・・。


- 2.3 新宮2:徐福、阿須賀神社そして輪行




◆徐福

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徐福公園

徐福は中国の人。秦の始皇帝に献上する不老不死の霊薬を求めて蓬莱山目指して船旅にでる。その時、若い子供たちたくさん、仙人に献上するため金銀財宝たくさんを持参した。

見方によっては、始皇帝をそそのかして労働力と財産をせしめて公に逃亡した知者でもある。
(実際、以降、そのような胡散臭い者が続出したことが史記に書かれている)

漂着地、墓は日本にいくつかあるらしい。



◆阿須賀神社

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速玉大社のあと、阿須賀神社に詣でた。社務所で御朱印をいただく間、あたりを見学させていただいた。


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阿須賀王子社の碑があった。
大辺路(紀伊半島の海岸沿いを歩く熊野古道)に置かれた王子社かな。


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旗なびく中、参道をあるいて本殿に向かう。


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由来書。


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このような神社でした。しずかでいいところです。


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徐福之宮というものがあった。


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このような感じです。雨に濡れて日常の雑音まで吸収しているかのように静かだった。


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歌碑があった。


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神社の横を通って、海に突き当たる(防波堤あって海は見えない)まで歩いてみた。石垣にすみれが咲いていた。こういう小さい花は自転車では見過ごしがち。



◆新宮駅から輪行

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予定では新宮から古座まで海岸沿いを自転車で走るつもりだったが、雨の中で自転車を走らせるのは気疲れする。もう嫌になった。そして、やっと電車が通る都市部に出られて、文明の利器に頼る甘えが出てしまった。

鳩がポポポポ・・・・と歩く中、そそくさと輪行の準備をする。


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海岸沿いを走る電車ということで、津波に対する備えもしているようだ。わかりやすいイラストだ。


- 2.4 古座



◆古座駅

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ウトウトしていたら、古座についてしまった。明るいうちに着いて良かった。
自転車を組み立てる。キャリアがあるので、普段よりは時間がかかる。



◆やまさき屋旅館

古座には大変お気に入りの宿がある。この宿に泊まるために今回の旅を立案したと言っても過言ではない。

最後に泊まったのは5年前かな。その時は妻を連れてきた。私は3回目?4回目?なので、場所を完璧に覚えていたつもりだが、かなり道に迷ってしまった。

やっとたどり着いて、おばちゃんに挨拶をした。雨なので玄関に自転車を入れさせてもらって、まずはお風呂に入らせてもらった。


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さっぱりしたところで、きれいな食堂で夕食。

やまさき屋旅館は、食事が非常に美味しいのだ。


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自転車に乗って食欲が大幅に上がっている私でもお腹いっぱいになるまで美味しいものを食べられる。何が出るかは分からないが、何を食べても本当に美味しいのだ。


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グラタンも美味しかった。


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お刺身も美味い。


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魚の名前を聞いたが忘れてしまった。この煮付けもうまかった。

本当にエクセレント。素晴らしい。昼間は食事だけいただくこともできるようだ。宮城に引っ越してきてくれないかなぁ。





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やまさき屋旅館さんにはいろんな本が置いてあるが、この本が一番面白い。和歌山は滝が多い所だが、それらをまとめた本。初めて宿泊した時からある本だが、何度読んでも面白い。





やまさき屋旅館には連泊する。明日は荷物を旅館において身軽な状態で観光をする予定。

この日はお客が私だけだったので、誰に気兼ねすることもなくのんびりと寛ぐことができた。慣れた旅館に泊まれるのは本当に幸せなことだと思う。ゆっくりとした時間の中でいつの間にか寝てしまった。


走行距離:48.74Km + 輪行

(つづく)